探偵業法とは
探偵や興信所に調査を依頼するとき、「探偵はどこまで調査していいのか」「探偵業者であれば誰でも営業できるのか」と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。
探偵業には、「探偵業の業務の適正化に関する法律」、通称「探偵業法」という法律が定められています。
探偵業法は、探偵業者の業務を適正化するとともに、依頼者や調査対象者など、個人の権利や利益を守ることを目的として制定された法律です。
探偵業者には公安委員会への届出をはじめ、契約前の重要事項説明、契約内容を記載した書面の交付、秘密保持、従業者への教育など、さまざまな義務が課されています。
一般社団法人 愛知県探偵業協会では、探偵業界の健全化と調査業務の適正な運営を推進しています。
ここでは、探偵への依頼を検討されている方にも分かりやすく、探偵業法の目的や探偵業者が守らなければならないルールについて解説します。
探偵業法が制定された背景
探偵業法の正式名称は「探偵業の業務の適正化に関する法律」です。
平成18年(2006年)6月8日に公布され、平成19年(2007年)6月20日に施行されました。
それ以前の日本では、探偵・調査業そのものを直接規制する法律がなく、契約内容をめぐるトラブルや違法な手段による調査、調査によって知り得た情報の不正利用などが問題となっていました。
こうした背景から、探偵業の適正な運営を確保し、個人の権利や利益を保護することを目的として探偵業法が制定されました。
探偵業法における「探偵業務」とは
探偵業法では、依頼を受けて特定の人物の所在や行動に関する情報を収集するために、
・聞き込み
・尾行
・張り込み
・その他これらに類する方法
などによって実地調査を行い、その結果を依頼者へ報告する業務を「探偵業務」としています。
浮気・不貞調査、素行調査、所在調査など、一般的に探偵が行う多くの調査がこれに該当します。
探偵業を営業するには公安委員会への届出が必要です
探偵業を営む場合は、営業所ごとに、その所在地を管轄する都道府県公安委員会へ届出を行わなければなりません。
誰でも自由に「探偵」を名乗って探偵業務を営業できるわけではなく、探偵業を営むためには法律に基づいた届出が必要です。
探偵へ調査を依頼するときは、正式に探偵業の届出を行っている事業者であるかを確認することが重要です。
探偵業者には「標識」の掲示が義務付けられています
探偵業者は、法律に基づく届出を行っていることを示す「標識」を営業所の見やすい場所に掲示しなければなりません。
また、一定の条件に該当する探偵業者については、自社ウェブサイトへの標識掲載も義務付けられています。
探偵事務所を選ぶ際には、こうした法令上必要な表示が適切に行われているかどうかも、事業者を確認するポイントのひとつです。
探偵への依頼・契約時には重要事項の説明が必要です
探偵業者は、依頼者と契約を締結する前に、調査内容や料金、契約解除に関する事項などについて、書面を交付したうえで説明しなければなりません。
契約前に説明される主な内容
・探偵業者の名称や所在地
・届出を行った公安委員会
・調査業務の内容
・調査料金やその他の費用
・料金の支払時期
・契約解除に関する事項
・調査資料の保管や処分に関する事項
・個人情報や秘密の取り扱い
また、契約成立後にも、実際の調査内容・期間・方法・料金・報告方法などを記載した書面が交付されます。
契約内容や料金について十分な説明を受けないまま契約を急がせる業者には注意が必要です。
探偵だから何をしても許されるわけではありません
探偵業の届出をしているからといって、通常は禁止されている行為が特別に認められるわけではありません。
探偵業者も一般の人と同様に、関係する法律を守りながら調査を行わなければなりません。
他人の住居や敷地への不法侵入、違法な方法による情報取得など、他の法律で禁止されている行為を探偵業法が認めているわけではありません。
適正な探偵業者は、法律を遵守した方法で調査を行います。
違法な目的の調査は依頼できません
探偵業者は、調査結果が犯罪行為や違法行為などに利用されることを知った場合、その調査を行うことはできません。
また、契約を締結する際には、依頼者から調査結果を犯罪行為や違法な目的に利用しない旨を示す書面の交付を受けることが義務付けられています。
そのため、依頼内容や利用目的によっては、探偵業者が調査をお断りする場合があります。
探偵業者には秘密を守る義務があります
探偵業務では、依頼者や調査対象者などに関する非常に重要な情報を扱います。
そのため探偵業法では、業務上知り得た人の秘密を正当な理由なく漏らしてはならないことが定められています。
この義務は、その探偵業務に従事しなくなった後も続きます。
また、調査によって取得した文書・写真・映像などについても、不正利用や不当利用を防止するための適切な管理が求められます。
探偵業者には従業者を教育する義務があります
探偵業者は、調査員やその他の従業者に対して、探偵業務を適正に実施するために必要な教育を行わなければなりません。
探偵業は人のプライバシーに深く関わる業務だからこそ、法律や個人情報の取り扱い、適正な調査方法について十分な知識を持つことが求められます。
探偵業法に違反すると行政処分や罰則を受ける場合があります
探偵業者が探偵業法や関連する法令に違反した場合、公安委員会による指示や営業停止命令、営業廃止命令などの対象となる場合があります。
また、無届で探偵業を営業するなど、違反内容によっては刑事罰が科される場合もあります。
探偵業法は単なる業界の自主ルールではなく、探偵業者が守らなければならない法律です。
愛知県で探偵へ依頼する際に確認したいポイント
探偵へ調査を依頼するときは、料金だけで事業者を判断するのではなく、次のような点も確認しましょう。
・探偵業の届出を行っているか
・必要な標識を掲示しているか
・契約内容や料金について十分な説明があるか
・契約前後に必要な書面が交付されるか
・調査方法について適切な説明があるか
・個人情報や調査資料が適切に管理されているか
信頼できる探偵業者を選ぶことは、調査を安心して依頼するための重要なポイントです。
一般社団法人 愛知県探偵業協会では、探偵業界の健全化と適正な調査業務の普及に取り組んでいます。
探偵業法に関するよくある質問
探偵業を始めるには資格が必要ですか?
探偵業を営むための国家資格や免許制度はありませんが、営業所ごとに公安委員会への届出が必要です。
また、探偵業法をはじめとする関係法令を遵守して業務を行う必要があります。
探偵であれば個人情報を自由に調べられますか?
いいえ。
探偵だからといって、違法な方法による個人情報の取得が認められているわけではありません。
探偵業者も個人情報保護法をはじめとする関係法令を遵守する必要があります。
浮気調査や素行調査は探偵業法の対象ですか?
尾行や張り込みなどによって特定人物の行動を調査し、その結果を依頼者へ報告する業務は、一般的に探偵業法に定める探偵業務に該当します。
探偵に依頼するとき契約書は必要ですか?
探偵業者には、契約前の重要事項説明と書面の交付、さらに契約成立後には契約内容を明らかにする書面の交付が義務付けられています。
探偵業法の正式な条文について
探偵業法の正式名称は「探偵業の業務の適正化に関する法律」です。
法律は改正される場合があるため、正式な条文や最新の内容については、e-Gov法令検索や警察庁などの公的機関が公開している情報をご確認ください。


